少子高齢化により日本での生産年齢人口が減りつつあるなか、外国人人材の受け入れは重要なテーマの1つとされています。しかし、日本社会での外国人との共生に課題が残されているのも事実です。今回は、出入国管理庁が2024年3月に公表した「外国人との共生に関する意識調査(日本人対象)」の結果から、企業としてどのように共生社会の実現に貢献できるのか考えてみたいと思います。
政府は外国人人材の受入や共生において、以下の3つのビジョンを掲げています。このビジョンに対する意識調査では、日本人の8割以上が良いと思うと回答しており、共生社会の実現に向けた政策に対する理解が深まってきていることがわかります。
◾️目指すべき外国人との共生社会(3つのビジョン)
① 安全・安心な社会
これからの日本社会を共につくる一員として外国人が包摂され、全ての人が安全に安心して暮らすことができる社会
② 多様性に富んだ活力ある社会
様々な背景を持つ外国人を含む全ての人が社会に参加し、能力を最大限に発揮できる、多様性に富んだ活力ある社会
③ 個人の尊厳と人権を尊重した社会
外国人を含め、全ての人がお互いに個人の尊厳と人権を尊重し、差別や偏見なく暮らすことができる社会
共生社会に向けたビジョンはプラスの評価がされていますが、外国人の受け入れ環境整備に対する意識調査では、実際には《進んでいない》が41.7%となっており、受け入れるための環境を整えることが課題となっていることがわかります。また、最も受け入れ環境が進んでいないと感じる点として「外国人材を受け入れる企業等の環境整備」で、58.1%が課題として挙げています。この結果から今後、企業の外国人受け入れ態勢の見直しが必要とされています。実際に日本では外国人を受け入れる企業はまだまだ少ないのが現状です。これまで外国人を受け入れた経験がない企業にとっては、いきなり従業員として採用することに対して抵抗を感じる場合が多いかもしれません。このように外国人の受け入れに不安がある場合、インターンシッププログラムを活用してみることで、徐々にサポート体制を構築していく方法もあります。
日本人が共生社会を築くために外国人に求めることは何でしょうか。この調査では、77.5%の人が「日本の習慣、生活ルールを守るようにする」ことを外国人に求めているようです。外国人が日本で働く場合、日本特有のビジネスマナーや仕事に対する考え方も理解し、受け入れることが必要となるでしょう。企業によって異なりますが、例えば上下関係を重視する職場であったり、細部にまでこだわる仕事の進め方など、異文化に触れる機会が増える中でこれらの習慣を理解することが求められます。
このような状況において、企業の役割は非常に重要です。外国人が日本社会にスムーズに溶け込むためには、企業が自社の業務や文化に関する研修だけでなく、日本の文化や習慣に関するオリエンテーションを提供し、日々の業務や生活の中で継続的なサポートを行う姿勢が求められます。これにより、外国人が仕事や日常生活において安心して日本での生活をスタートできる環境が徐々に整ってきます。
実際に弊社では、受け入れ企業に代わってオリエンテーションの実施や、文化理解を深めるための取り組みを行っています。また、定期的にインターン生とのコミュニケーションや関わりを持つことで、受け入れ企業の負担を軽減しつつ、外国人が日本社会に適応するためのサポートを提供しています。
私たちは、インターンシップサービスを通じて、日本人と外国人が関わるきっかけやサポートを行っています。企業の皆様が外国人インターンを受け入れる際に直面する課題を共に解決し、共生社会の実現に向けたサポートを提供することで、企業が持続的に成長し、共生社会の推進に貢献できるよう取り組みを行っています。
企業における外国人インターン生の受け入れは、単なる将来的な人材確保にとどまらず、異文化理解や共生社会の実現に向けた大きな一歩であると私たちは考えています。日本人が外国人に対して寛容な姿勢を持つことや、外国人が日本の習慣や文化、ルールを尊重できる仕組みを整えることで、生活環境だけでなく職場もより良い環境を築いていくことができます。私たちと一緒に、共生社会の実現に向けた取り組みを今から進めてみませんか?